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建売業者の業務を見ていきましょう。

まずは、建設業会計の説明から
 建設業では、請負工事の場合も、そうでなくても、1物件(工事現場)ごとに工事の内容が違います。つまり、総合原価計算ではなく、個別原価計算となります。
 1現場ごとに発生した原価(材料費や外注費など)を一旦仕掛に計上し、その現場の工事が完了(完成)したときに仕掛から原価に振替ます。建設業会計ではこの仕掛を”未成工事支出金”、原価を”完成工事原価”と呼びます。また、建設業原価の科目は、材料費、労務費、外注費、経費となります。

150 ところが分譲住宅の場合には、土地の造成工事も1現場ですし、その土地に10棟の住宅を建設する場合10現場となります。
 その場合、土地は10分割して建物と共に契約者に販売します。ということは、土地の造成工事が終わってから土地の仕掛を10分割してそれぞれの建物の仕掛に合算し、建物工事が完了して契約者に引き渡す(引き渡し基準)タイミングで完成工事原価に算入します。
 よって、建物を1現場(以下、工事コードと呼びます)とした場合、その科目(要素)は材料費、労務費、外注費、経費と土地原価とすることが原価管理上スムーズに処理できることになります。

1)分譲用土地の仕入れ
 まずは、土地の契約時に手付金を支払います。(現金払いが多いようです。)
 仮払金 / 現金

 その後契約を取り交わし、残金を支払います。先の仮払いも土地代金の一部になります。
※ここで、工事コードを取得します。分譲用土地の単位で工事コードを付番します。10棟建てる計画があっても後に変更になるかもしれません。1つの工事コードでまずは処理します。
 未成工事支出金(土地) / 仮払金
 未成工事支出金(土地) / 現金

 ここで、土地購入資金の調達のため借り入れがあった場合、その借入金や支払利息にも工事コードを付けておきたいところです。しかし、支払利息は、原価ではありませんので、未成工事支出金に入れないでください。管理会計上だけ支払利息を考慮し、その現場コストをより正確に把握したいところです。

2)造成工事
 続いて、土地の造成工事です。工事業者からの請求があった場合、未払い計上します。
 未成工事支出金(土地) / 工事未払金

 業者への支払日には、工事未払金を支払ます。
 工事未払金 / 普通預金

次回は、造成工事の完成(建物工事の着工)以降です。