今回は、固定資産を貸与する時のポイントについて解説します。

(1)貸与とは
・外部取引先あるいは社内他部門へ資産の貸出を行う手続きです。

(2)関係先
・貸与元部門・・・貸与を実施する部門。
・固定資産管理部門・・・貸与の決裁や、台帳のメンテナンスを行う部門。
・貸与先・・・社内他部門や外部取引先が対象となります。
6-1.固定資産の貸与時に発生しうるリスクとは

貸与は現物を紛失するリスクが最も高い手続きです。

紛失する主な原因
・現場判断で勝手に貸出されてしまい、資産管理部門で把握できていない。
・貸出先の情報が誤っていた。
・貸出先が移転や組織変更に合わせて更新されるべき情報がそのままになっていた。
・返還の督促が不十分だった。

6-2.貸与時の管理ポイント
■貸出元部門での対応

1)貸与申請
必ず貸与申請を作成して資産管理責任者の承認の元で貸与を実施して下さい。
貸与申請書に最低限盛り込んで欲しい情報は以下の通りです。
・貸出元、貸与先の情報
・貸与理由
・貸与期間
・賃貸料金等(有償の場合)

2)現物のチェック
現物を貸出先に引渡する前に貸与申請書に書かれた資産コードと現物の資産コードが一致している事を確認して下さい。(引渡の段階で対象資産が間違っていたら、その後の管理はできなくなってしまいます。)
外部へ貸出する時は貸出先から借用書類などを手に入れて保管しておきましょう。

■固定資産管理部門での対応
3)貸与申請書の保管と台帳のメンテナンス
利用されている固定資産管理システムの機能によっては貸与管理に対応できたり、書類も台帳と一緒にデータ保管できる場合もあると思いますが、システムでの管理ができない場合でも、備忘録程度の記録は台帳に残しておきましょう。

4)貸出管理
貸出簿をつけて貸出期間中の管理する場合は、貸与期間の定期的な確認や貸与期間が満了している資産について返還の督促ができるよう貸出状況を把握していく事が必要です。
特に外部に長期間貸出するような場合には、紛失だけでなく故障のリスクもできてきます。そのため定期的に資産の状況の確認したり、棚卸の際には貸出先から預り証明書類などを提出してもらうなどの対応が有効だと考えられます。

6-3.返却時の管理ポイント
5)返却報告書の提出
貸与先から資産が返却されたら、現物の管理担当者は返却報告書を作成して固定資産部門に報告します。
返却報告を受けたら固定資産部門で台帳や貸出簿を最新の情報にメンテナンスして下さい。

貸与申請から返却までの現物の所在を的確に把握して、紛失リスクを低減することに繋がると考えられます。

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