前回の続きです。

3)造成工事の完了
土地の造成工事が完了したので、完成振替処理で、完成工事原価に振り替えますか? え?売上は?
この造成工事はお客様から受注したものではありません。なので、完成振替処理はしません。この場合、販売用不動産という資産科目に「完成在庫」として振替計上します。

販売用不動産・土地 / 未成工事支出金(土地)
この造成工事の土地に分譲住宅を2棟以上販売する計画の時は、その分譲の販売時期(引渡時期)が違ってきますので、その分譲単位に合わせて原価を分けておく必要があります。しかし、原価を分けるのはこのタイミングでは行いません。それは、引き渡しまでの間に追加原価の発生が予想されるからです。

◯続いて、本体工事の着工です。A工事、B工事それぞれに工事コードをつけます。

4)工事の発注~未成の計上
未成工事支出金の計上は、業者の工事が完了してから行います。但し、契約により分割払いとする場合や工事の進捗に応じて支払う場合は、現場を査定してその分だけ計上します。

未成工事支出金(外注費)  /  工事未払金

※建設業会計の場合、科目に特徴があります。
仕掛品 → 未成工事支出金
買掛金 → 工事未払金
他にも、
売上高 → 完成工事高
売上(製造)原価 → 完成工事原価
売掛金 → 完成工事未収入金

また、未成工事支出金は、材料費、労務費、外注費、経費に分けておきます。完成時に完成工事原価への振り替えが楽になります。

5)業者への支払い
工事代金を業者に支払います。

工事未払金 / (現預金科目)

ここまでの状況を”工事台帳”に記入します。
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工事名:A工事 (施主:自社)
現場所在地:○○県○○市xxx
工期:○年○月○日~○年○月○日 (未完区分:未成)

日付 摘  要 材料費 労務費 外注費  経費  土地
m/d □□□□ xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx
m/d □□□□ xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx
m/d □□□□ xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx
m/d □□□□ xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx xxx,xxx
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