2012年05月
事業継続計画書(BCP)のドキュメントは次の6つのパートで構成されるのが基本です。
(1)事業継続方針…経営資源を優先的に投入する事業を決める
(2)ビジネスインパクト分析…目標復旧時間を決める
(3)リスク分析…対応すべきリスクを決める
(4)事業継続戦略…経営資源が失われた場合の対応方法を決める
(5)非常時対応計画…非常時の初動対応について組織構成・機能を決める
(6)維持管理・教育訓練計画…BCPを維持・改善し、事業継続力を高めるための教育訓練の概要・日程を決める
ここで注意しないといけないのは、本来の事業継続計画書(BCP)を「なぜ策定しなければならないか」ということです。
なぜなら、この「なぜ」を忘れてしまうとドキュメントそのものを作成することが目的化してしまい、その結果、時間と労力をかけて策定した事業継続計画書(BCP)が実効性のないものになるということはよくある話です。
これは経営者から見れば「事業継続活動はカネ食い虫」ということになり、継続的実施が重要な事業継続活動において、活動中止(またはフェードアウト)の十分な動機になりえます。
では、「事業継続活動はカネ食い虫」にならないためにはどうすればよいのでしょうか?
もちろん、「なぜ必要なのか」を忘れないということはもちろんですが、事業継続推進担当者は、経営者より「策定しろ」と指示命令を受けて業務を行っているわけであり、この指示命令が目的化するのは当然のことだと思います。
実効性のある事業継続計画書(BCP)を策定するためのポイントは以下の4点です。
事業継続計画書(BCP)策定にてこずっている方は、ぜひとも参考にしてみてください。
(1)事業継続戦略(万が一の時の対応方法(復旧・代替))を決めることが重要
(2)事業継続戦略を決めるための前準備であるビジネスインパクト分析、リスク分析は「決める」ことに重点を置く(分析することも目的化しない。いくら分析をしても所詮は「…たら」、「…れば」ですよ。)
(3)ドキュメント化することにこだわらない(万が一の対応について、関係者の意識統一を図ることができれば、メモ書きでもOK)
(4)現場を巻き込む(自分が決めた計画だからこそ、それを実行しようとします。現場が計画策定に参画しない事業継続活動は意味がありません。巻き込むための手段として、シミュレーション訓練の活用等も検討してください。)