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固定資産管理システムについて、4回にわたって連載します。

まず、第1回は、なぜ今、固定資産管理を見直さなければならないのかについてお話していきます。


1-1:会計の種類

ひとくちに「会計」といっても、いろいろな種類が存在します。

それぞれの会計の種類は、提出先によって目的が異なり、会計基準も違っています。
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1)『財務会計』は、会社の所有者である株主に対する1年間の“通知表“です。
一般に基準が存在するものの、自分が作る通知表ですから良いところを見せたい。
悪いところはあまり見せたくないという特徴になります。 粉飾決算で架空の利益を出したりするのは、この会計の種類での話です。

2)『税務会計』は、会社が税金を納めるために作るものです。
ですから、税金が多く徴収できるような基準となっているところがある(?)かもしれません。

3)『IFRS』は、一般的に「アイファース」「イファース」「アイ・エフ・アール・エス」などと呼ばれていますが、 正式名称をInternational Financial Reporting Standards(国際財務報告基準)といいます。

IASB(国際会計基準審議会)によって設定されています。
2009年6月30日⇒2010年3月~2012年3月に強制化し、 2015年3月からスタート=全面適用の予定でしたが、5~7年程度の準備期間の後、強制適用と言われています。

※IFRSの提出先は株主といっても投資家です。 投資家からみた場合の会社のマイナス要因はすべて正直に出してもらわないと、投資家は正確な判断ができません。
そのような要求に応えるための会計基準です。

4)『管理会計』は、自社の経営陣への報告資料です。
自分を大きく見せる必要もなく、プラス要因もマイナス要因もすべて正直に見せなければなりません。
ただし、今の経営状態(または、直近の未来の状態)を見せる必要がありますから、資料作成にはスピードが重要です。


1-2:固定資産における基準の違い

<IFRSと日本基準の主な違い>
日本基準では
・『財務会計』においては、減価償却は合理的に決定された一定の方式に従い、 毎期計画的・規則的に実施しなければなりません。(監査・保証実務委員会報告第81号2)
・『税務』においては、減価償却における法定耐用年数により決められています。

IFRSでは
残存価額、耐用年数、減価償却方法は少なくとも各事業年度末に見直す必要があります。(IAS16号56、61)

以上より、少なくとも3つの基準(財務会計基準、税務基準、IFRS基準)による減価償却が必要です。
具体的には、
『残存価額』・・・IFRSは「今後、その固定資産がどれくらいのCF(キャッシュフロー)を獲得するのか」、 財務会計・税務は「取得価額-減価償却累計額」から求めます。
『耐用年数』・・・IFRSは、「ホントのところ、いつまでその固定資産を利用できるのか」、 財務会計は「計画的に費用配分するための年数」、税務は「法定耐用年数」を使用します。
『償却方法』・・・IFRSでは定額法のみを使用します。

上記を満たすためには、固定資産管理システムには、

『一つの固定資産実態に対して、違った耐用年数、違った償却方法、違った残存価額を管理できる機能』 が必要となってきます。
従来からの償却方法である”定率法・定額法”で決算を行なった場合と、 IFRSを適用し、定額法のみの決算を比較すると下図のようになります。税引前利益でもこれだけの差があります。
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