9.11同時多発テロから世界的に認知されるようになったBCP(事業継続計画書)。日本でも3.11東日本大震災でその知名度が上がり、タイの大洪水で、その必要性がさらに叫ばれています。

DSCF2068 BCP(事業継続計画書)とは一体何なのでしょうか?読んで字のごとく「事業を継続するための計画書」ということになるのですが、経営者の方々からは「そんな計画書をわざわざ作らなくても、事業を継続するために、常に頭を痛めている」とおしかりのお声を頂きそうなネーミングです。
 もともと、BCPはDR(ディザスターリカバリー:災害などによる被害から回復するための対応、あるいは被害を最小限に抑えるための予防対応)が発展したものです。いわば「防災」に「事業継続」という考えを付け足したものということができます。
 「防災」では事業が継続できないのでしょうか?

 ちょっと想像してみましょう。
「もしあなたの身近で3.11東日本大震災と同じような災害が発生したら…」

 生命の危険や大火災の発生、建物の倒壊、情報の交錯・不足など日常生活では想像もつかない事態が次々と発生...そんな状況が思い浮かぶと思います。

 では、もう一つ想像してみてください。
 災害状況もある程度分かってきて、身の回りの危険度もある程度落ち着いたとき、どんな言葉が思わずもれると思いますか?
おそらくほとんどの方が「これからどうなるんだろう?」ではないでしょうか。その主語である「何が」にはいろいろあると思います。自分の命、生活、家族、財産、仕事…。挙げればきりがありません。

DSCF2060 この「これからどうなるんだろう」に対して「防災」は効果的に機能するでしょうか?答えは「No」です。
 なぜなら「防災」の目的は「生命の安全確保」であり、生命の安全を確保するための「物的損害の減少」であるからです。「これから…」というのは、防災によって生理的欲求(生命維持の欲求)が満たされた後に思わずもれる言葉です。その不安を和らげるのは「もしもの時」のことをあらかじめ考えておくことではないでしょうか?それがBC(事業継続)です。
 必ずしも「計画書」を作る必要はありません。目的である「これから…」に対応できれば、その考えが必要な人たちと共有できていればいいのですから。


 考えておけばよかったと後悔しないように、経営者が率先して、「もしもの後のこれから」を従業員の方々と是非とも考えていただきたいと思っています。

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