アフォード コラム

現役コンサルタントが考えたこと、お客様の役に立ちそうなこと、熱い思い、メモ等々を、徒然と、不定期に綴っていきます。

経営者

事業継続計画書(BCP)の作り方 ~ビジネスインパクト分析~

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 ビジネスインパクト分析は事業継続方針で決定した『重要事業』を前提に、以下の3点について決定・洗い出すパートです。

1.重要業務…まず最初に立ち上げなければならない業務は何か?
2.目標復旧時間…その業務はいつまでに立ち上げなければならないのか?
3.経営資源…重要業務で利用する経営資源は何か?

【1.重要業務】
 事業継続方針で『守るべき』重要事業を決定しましたが、その事業は様々な『業務』で構成されています。分かりやすくするために、みなさんが八百屋さんだったとしましょう。青果を販売するためには品物を仕入れて(調達)→お客さんに売る(販売)という業務が最低限必要です。この業務の中で何がもっとも重要(早く立ち上げなければならない)と思いますか?考え方はいろいろあると思いますが、それぞれの業務を自社で行わなかった時の影響を考えてみてください。

・調達ができない・・・売るべき品物がなくなる
・販売できない・・・お客さんとのつながりがなくなる
業務フロー
以上のような影響は時間の経過とともにどのように拡大すると思いますか?私だったら、「販売できない」状態が続くことは、この八百屋さんにとって大問題だと思います。なぜなら、八百屋さんで取り扱う品物は食料品で、お客さんから見ればほかの八百屋さんやスーパーでも買うことができます。つまり、「のりかえ」が起きてしまいます。調達は八百屋さんから見れば、現在の調達先(市場や二次卸)だけでなく、ほかの二次卸からも調達可能です(調達価格の問題はありますが…)。

 つまり、重要業務は『時間経過に伴う自社への影響度』を考えて「決定」していただければOKです。(「分析」ではなく「決定」です。)

【2.目標復旧時間】
 販売業務をいつまでに立ち上げればよいのでしょうか?どれくらい販売できなければお客さんは乗り換えるのでしょうか?正直に言うと、そんなことはわかりません。例えば、さまざまな統計情報やライバル状況を加味して「1時間以内」に立ち上げなければお客様が離れてしまうとしましょう。「よし!1時間を目標復旧時間としよう」といったところでそれはムリです。というのも、目標復旧時間とそれを達成するために必要なリスク予防・減少対策およびBC戦略実現のための事前対策・事後対策はトレードオフの関係にあるからです。1時間以内に店舗販売できるようにするためには、災害に強い店舗(耐震化や二重化)、在庫の確保などが必要となりますが、これには当然費用がかかります。これでは貸借対照表が耐えられません。

 では、どうすればよいのでしょうか。答えは「できる範囲内で」考えればいいんです。シンプルな考え方として、「何日売上がゼロだったら、キャッシュが回らなくなるのか」を考えてみてください。これだけでいいとは言いませんが、目標復旧時間を決定するのに何カ月もかけ、目標復旧時間そのものを短くする活動(事業継続運用/BCM)を行わないよりは全然ましです。
RTO

【3.経営資源】
 経営資源とは「その業務で利用するもの」です。八百屋さんを例にとると品物、店舗、販売員、お客さん、仕入れ先、…などがあります。BC担当が調べるのもひとつ方法のですが、その業務を実際に行っている方に聞くのが最も早い方法です。アンケート方式で記入してもらい、その最大公約数で気になったものを確認するのが、妥当ではないでしょうか?アンケート用紙に「ヒト」「モノ」「情報」「システム」「調達・協業・顧客」といったカテゴリで分類していると記入しやすいと思います。

 以上がビジネスインパクト分析の概要です。このコラムを読まれて「何が分析だ」と思われたかもしれませんが、おっしゃる通りです。ですが、ひとつ確かなことは仮に精査して分析したところで、「どのような事態が起きるかわからない」のですから、分析に時間をかけるよりも、事業継続力を上げるための運用(チェック→アクト)に時間をかけていただきたいと思います。

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事業継続計画書(BCP)の作り方 ~事業継続方針~

Clip to Evernote 「事業継続方針」は事業継続計画書(BCP)の最初の重要なパートです。
このパートで『決める』ことは以下の2点です。

1.事業継続方針…なぜあらためて「事業継続」を考えるのか?
2.重要事業…守るべき事業は何か?BCP策定プロセス
 
【1.事業継続方針】
 『方針』という言葉は経営方針、営業方針などよく使われる言葉です。
このすべてにおいての『方針』が曖昧すぎて、「わかったような、わからないような」というような場面がよく見受けられます。
事業継続に限らず、この『方針』はルール・行動のよりどころであり基盤です。
したがって、『方針』は普遍的でなければなりません。よりどころ・基盤がグラグラでは困りものですよね。

 この『方針』をよりどころにして事業継続計画を策定し、計画に従って行動していきますが、誰が策定・行動するのでしょうか?
それは企業に属する従業員の皆さんですよね。つまり、『方針』は各従業員が理解できるわかりやすいものでなければなりません。

 まわりくどい書き方をしましたが、これらのことを総合すると事業継続方針は以下の3点だと考えています。
(1)人命(従業員、来訪者など)の尊重
(2)外部への危機広報
(3)社会貢献(ここは各企業によって表現は変わります。その答えは皆様の会社ホームページにある経営者あいさつなどをご覧になればわかるのではないでしょうか。
経営者が経営を通して、どのような社会貢献を行うことを考えられているか、つまり企業の存在意義は何なのか)

【2.重要事業】
 『重要』という言葉を使うと、必ずと言っていいほど「すべての事業が重要だ」と答えられると思います。
そりゃそうですよね。不要な事業はないと思います。

 では、なぜ『事業継続計画』を決める必要があるのでしょうか?
それは不測の事態が発生し、事業継続するために必要なリソースが制約を受けた時に「どうするのか」を前もって決めておくためです。
制約を受けたリソースをまんべんなくすべての事業に投入できるのでしょうか?
おそらく投入できないのではないでしょうか(投入できるのであれば事業を限定する必要はありませんが、「投入できる」を誰が保証するのでしょうか?)。

 つまり、『重要』という言葉にあまりとらわれないで、制約を受けたリソースをまずはどの事業に投入するのかという意味合いでとらえていただきたいということです。

 その決め方ですが、事業の重要度を何らかの指標で決めることになります。指標としては売上高、信用やペナルティなど事業停止した場合の自社または取引先への影響などが考えられますが、これは理屈付けの話です。重要事業評価指標
絶対的重要事業評価指標な数式があって、それに数値を代入すれば求められるものではありません。
経営者に聞いてみると、意外に「まずはこの事業だろ」と答えるケースが多いです。
とはいうもののノープランで「聞きに来ました」というのはあまりにも無責任ですから、「事業継続のためにはキャッシュを回す必要がある」という観点から事業別の売上額・構成くらいはちゃんと調べておきましょう。
前のコラムでもくどいくらいに書きましたが、まずは『決める』ことです。
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